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【Happy Ending マガジン vol.1】 認知症の親族が引き起こす損害賠償のリスク

2017.06.09



どのような事件が起こっているのか? 

<ケース:徘徊老人と電車との交通事故>

徘徊癖のあった91歳の男性がJR東海道線共和駅(愛知県大府市)の線路内に立ち入っていたところ、東海道線の電車にはねられた事故がありました。(2007年)

91歳(認知症、要介護認定4)の男性は、夕方妻が居眠りをしている間にひとりで自宅近くの駅に向かい、改札を通過して隣駅まで電車に乗って行きます。そして、ホームの端に設置されている階段を降りて駅構内の線路上に立ち入っていたところ、走行してきた列車にはねられたと推定されています。
男性は即死、電車の方は乗員・乗客にケガなどはありませんでしたが、2時間近く停車していたため、乗客の振替輸送をしなければなりませんでした。

その後、鉄道会社は振替輸送の費用等として、91歳の男性の息子とその妻に約720万円の損害賠償の訴訟を提起しました。一審の名古屋地裁は、長男とその妻を男性の監督義務者と認定し、それぞれ360万円、計720万円の賠償を命じる判決を言い渡したのです。

 

 

Happy Ending への分岐点

あなたは、自分自身が監督義務者として賠償を請求された場合に対応する保険に加入していますか?

 

もちろん加入しています!
   数百万であれば、充分に加入している保険の保険金で賠償金を支払うことができます。

え〜っ このような賠償事故に対応できる保険に入っていたかな〜?
   認知症の親が引き起こす賠償事故など、想定していませんし、数百万円の賠償金をすぐに
   支払う自信はありません。

 

「YES」の人は、人生におけるRISKを十分に理解し、対策ができている人生の達人です。この調子でいきましょう。
問題は「NO」の人です。今後の人生に思わぬ落とし穴が待ち受けているかもしれません。


リスクはどこにあるのか?監督義務者の責任

高齢者は様々な点において運動能力、判断能力が衰えますから、事故に遭遇(被害者)する、あるいは逆に事故を引き起こす(加害者)リスクが増えて来ます。
そして、今回のテーマで問題としているのは、加害者となってしまった場合の損害賠償責任です。
判断能力のない認知症患者が加害者となって引き起こした損害賠償責任は、本人に問われるのではなく、監督義務者と認定された家族に求められることになるのです。91歳の男性は仮に、生きていたとしても責任無能力者として賠償責任を問われることはありません(民法第713条)。しかし、それでは被害者が泣き寝入りとなってしまいますから、民法第714条は責任無能力者(認知症患者)の監督義務者が本人の代わりにその責任を負うことを求めています。今回は長男と妻が監督義務者であったか否かが争われました。長男と妻に監督義務があると認定されれば、責任無能力者である認知症の親に替わって被害者に賠償しなければならないのです。


Happy Ending への選択

賠償しなければならない事態に陥った場合に、どうやって支払うかが問題となります。現預金がたくさんある人は例外として、このような日常生活における賠償事故に備える保険が必要です。それは個人賠償責任保険特約です。損害保険会社が取り扱う個人賠償責任保険特約で法律上の賠償責任をカバーすることができます。個人賠償責任保険は自動車保険、火災保険、傷害保険などに特約として付帯することが可能です。

個人賠償責任保険特約の支払いの条件は以下の3点です。

1.「他人の身体の障害または他人の財物の損壊について法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害」であること。
2.その損害の原因となる事故は「①記名被保険者の居住の用に供される住宅の所有・使用または管理に起因する偶然な事故」、または「②被保険者の日常生活に起因する偶然な事故」であること
3.監督義務者が個人賠償責任保険特約の被保険者であること。

最近、ある保険会社から電車との事故に関しては上記1の条件を外して支払う特約が発売されました。
個人賠償責任特約は上記の3つの条件に当てはまれば、発生した損害をカバーすることができます。監督義務者のすべての責任をカバーできるとは言えませんが、かなりの範囲が救われるはずです。

☞ 認知症の親族の引き起こす賠償責任をRiskだと判断した人は今すぐ以下の3点をチェックしておきましょう!

① 個人賠償責任保険特約を契約しているか?
② 充分な保険金額が設定されているか?(無制限が安心)
③ 示談交渉サービスが付いているか?(万一の際は保険会社が交渉してくれる)


Happy Ending を阻害する「先送り」のリスク

今気づいてよかった〜と思ったけれど、今ではなく、そのうちやろうと思った人へ
実行を先送りするのは、やらないことを選択したのと同じですよ〜
明日になれば忘れてしまいます......

やるなら「今」でしょう!

よくわからないという人はHappy Ending プランナーに相談してください。
的確なアドバイスを差し上げます。

 

次回のHappy Ending マガジンVol.2は「Happy Ending の秘訣」です。お楽しみに〜

 

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